脳にいい盆踊り!?福知山踊りの認知症予防効果を科学で証明!!INFORMATION

■保健所と市が2年がかりで検証事業
 
 盆踊りは体を動かすため、健康に良いだろうことは感覚的に分かるが、それを科学的にデータを取って裏付けたのがポイント。特に福知山踊りは全国でも珍しい16手振りがあって難しいが、市民の多くが小さいころから親しんでいることから「お年寄りの認知症予防に効果があるのでは」と、中丹西保健所と福知山市が共同で2年にわたって検証事業に取り組んだ。
 
 初年度の2006年度は府立医大、福知山市民病院、福知山踊振興会などの協力を得て実施。お年寄りの頭に光ファイバーを使った検査器を取り付けたり、病院のMRIを使ったりしてデータを取り、踊りが脳の活性化に効果をもたらすことを科学的に裏付けた。
 
 07年度は更に踏み込んだ検証を行うことにし、市内のデイサービスセンター5カ所で62人に協力してもらい、認知症と抑うつ予防の効果を調べた。
 
 お年寄りたちに毎週1回、福知山踊りを10分程度踊ってもらい、事業開始前と4カ月後、8カ月後にMMSE(簡易認知症検査)と生活機能評価基本チェックリスト、問診からなる測定を行った。
 
 MMSEは30点満点で24点以上が「正常域」、23-21点が「軽度」、20点以下が「中等度」の認知症とされ、軽度の人の平均は開始前が22・3点だったのが8カ月後には23・2点に改善。中等度の人の平均も16・4点だったのが17・5点に上昇。中でも熱心に踊りを取り入れた施設は平均22・8点だったのが26・4点に大きく改善した。一方で週1回の踊りをしなかった人たちの平均は16・0点だったのが14・5点に悪化した。
 
 うつ予防については、数値としての改善は認められなかったが、「自分が健康だと思うかどうかの健康観が改善しており、抑うつ傾向の予防に有効なことが示唆された」という。

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■市がDVDを制作、保健所も自己診断ソフト配布
 
 共同研究した福知山市は、福知山踊りで介護予防と健康づくりを進めようと、DVDを制作した。福知山踊りの歴史と健康効果を紹介し、踊りの手振り、足振りを分かりやすく解説している。公民館や老人会など各種団体の健康づくりに貸し出すことにしている。
 
 また中丹西保健所も、パソコンを使って脳と体の自己診断ができるソフトを作った。「きょうの日付と曜日が言えますか」などの問いに「はい」「いいえ」で答えていく「物忘れチェックリスト」、「いすに座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか」などを問う「基本チェックリスト」などがあり、判定結果ごとに「肉や魚卵、大豆などのタンパク質のうち何か一品は毎食とるようにしましょう」といったワンポイントアドバイスが表示される。

※出典元:両丹日日新聞/2008年5月13日ニュース






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